人間を薬に


動物の内臓や排泄物を薬として用いていた時代がありました。
動物だけが薬となったわけではありません。
過去数百年にわたって人間が薬として用いられていたのです。

 

人間の血液、肉、骨が薬として使われました。
これらは「死体の薬」と呼ばれました。

150403-1

 

 

ローマでは落下して死亡した剣闘士の血はてんかんに効くとされていました。
12世紀にはエジプトのミイラがヨーロッパで薬として重宝され、17世紀イングランドではチャールズ2世が「王の雫」というものを好んで飲んだと言われています。
「王の雫」とはアルコールに砕いた頭蓋骨を混ぜたものです。

 

人間から作られた薬には不思議な力があり、それらを体内に取り込むとその薬の素となった人間の霊の一部も取り込めると信じられていました。
霊が体内に入ることによって活力が取り戻されるのだそうです。

 

頭蓋骨は偏頭痛に、脂肪は筋肉痛にといった風に人体の部分によって効果が異なっていたそうです。