小さい頃からクラシックピアノを弾いてきた私がジャズピアノに魅了されたのは、大人になってからのことです。
クラシックピアノのレパートリーといえば、ベートーヴェンやショパン、リストなどですが、中でも私が特に好きなのはバッハでした。専門的な知識はありませんが、和音の“調”や“コード”について、バッハほどジャズから遠い人はいないと思います。
バッハのコードは規律正しく厳かさの中で心が安寧するもので、ジャズのコードは遊び心をくすぐり心を躍らすものでした。
クラシックばかり弾いてきた私がそんなジャズの自由なコード、コード進行に触れたとき、新しい世界を感じました。箱入り娘のお嬢様が夜遊びに夢中になるように・・・?クラシック畑で育った私の感性に、ジャズピアノは揺さぶりをかけ、今まで×とされてきた音を〇にし、そして時に困惑させました。
ネットの動画を見て、遊びでジャズピアノの譜面を弾いてみたりもしますが、クラシック以上に他サインコードと、予測できないコード進行、急激なテンポの揺れや鍵盤のタッチはとても難しいものです。
1曲たりとも自分のものになったと感じるものがありません。悔しい思いも沸き上がりますが、ジャズピアノという世界を知れて、私の音楽はさらに広がったと思います。