私が占い師に生まれて初めて相談したのは、故郷である福岡時代の事です。
その内容というのも、友人と好きな相手がかぶってしまったことです。
友人とは同じ大学の同じ学部の同じゼミなんですが、私たちのお目当ての人はそこの先輩なんです。
後輩にとても優しい先輩で、ゼミでの指導はもちろん、飲み会やプライベートの悩み相談など、面倒見のいい先輩です。
私も友人もそこに惹かれたのですが、問題はここからです。
友人が先に私に先輩が好きだということを明かしてくれたのですが、来週にも告白をする予定なのだと言われました。
しかし、私も先輩のことが好き、だと友人に言うことはできませんでした。
友人は私と保育園から一緒だった友達で、家族ぐるみの付き合いのある間柄です。
そんな友人との仲を悪くしたくなかった私は、応援するよ、というしかありませんでした。
誰かに相談しようと思いましたが、今まで悩み事はすべてその友人に話して解決していましたから、ほかに相談する相手が思いつかなかったのです。
煮詰まった私は、口コミで紹介された福岡は、博多の占い師に相談することにしました。
占い師からはズバリ、と彼をとるか友人をとるか、と切り出されました。
答えにつまった私に対して、占い師は失って嫌な方を考えなさいと言いました。
そうです。私にとって失いたくない相手は、友人でした。
しかし、先輩をあきらめられない私には、あきらめなくてもいい、ただその気持ちはきちんと言っておいた方がいいといいました。
占いの先生は、時間がオーバーしているにもかかわらず、延長料金を取ることも無く親身になって私たちにアドバイスをしてくれました。
私は友人が告白する前に友人に先輩を好きなことをあかして私も先輩に告白する、と宣言しました。
友人は複雑な表情をしましたが、お互いにうらみっこなし、ということで落ち着きました。
結局、友人は玉砕してしまいました。
その後、私も先輩に告白しましたが、やはり玉砕してしまいました。
二人ともフラれてしまったけれども、大切な友情は守られました。